12月14日(土)本研究会メンバーの講演会が行われました。

つぎのように、メンバーの清水詩織と山口順子が、12月14日(土)NPO法人インテリジェンス研究所の第63回諜報研究会でお話ししました。

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日時: 2024年12月14日(土)14:00~
    対面とオンラインのハイブリッド方式  

会場: 早稲田大学早稲田キャンパス3号館4階406教室

共通テーマ:「幕末期対外情報接受の諸相」
近世史において情報史研究が活発に行われるようになったのは、1990年代以降である。 とりわけ海外情報の受容と伝播については、現在の幕末維新史研究においてに欠かせないトピックとなっている。 この報告では、海防体制の最前線で情報収集と共有化に向かった村役人たち、鎖国を規定した祖法の転換を図り開国通商、 海防政策への提言と実現への道筋をつけた一儒者についてスポットをあてる。

報告者:清水 詩織 氏(早稲田大学教育・総合科学学術院 非常勤講師)
「海防に向かう村役人たちの異国船情報ネットワーク―岩槻藩房総分領和田村庄司家を事例に―」
概要:
19世紀日本において異国船情報が膨大に記録されるようになるのは、日本近海で目撃された異国船数の増加とともに、報告の義務化がその一因であろう。 海防体制の構築においても、異国船情報の収集と報告ルートの整備は不可欠のものであった。 本報告では、岩槻藩房総分領を事例に、房総諸藩の中で形成された情報ネットワークを検討する。 特に岩槻藩の「異国船注進方」として情報収集の中核を担った和田村名主・庄司家の活動を中心に取り上げる。

報告者:山口 順子 氏(オノーレ情報文化研究所)
「蕃書調所初代頭取・古賀謹一郎と新聞」
概要:
古賀家は精里にはじまり三代続いて昌平坂学問所の儒者として、また対外政策の提言者として活躍した。 漢訳本を通じた洋学の博覧強記であった父侗庵の学問的姿勢を継承しながら、三代目の謹一郎(1816-1884年)は、政策提言の一環として、蕃書調所を誕生させた。 今日、蕃書調所による「新聞」発刊のアクターとして古賀に言及されることはほとんどない。 この報告では「新聞」にフォーカスしつつ古賀謹一郎の事跡をたどり、その意義を問い直してみたい。

司会:山本 武利 氏(インテリジェンス研究所理事長、早稲田大学・一橋大学名誉教授)

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以上です。よろしくお願いいたします。

第5回公開研究会を開催しました。

11月30日(土)に東京都立多摩図書館で公開研究会を開催しました。秋晴れで紅葉が映える好日にご参加くださいました方々に感謝申し上げます。

公開研究会では箱石大東京大学史料編纂所教授の司会のもと、講演でまず、戊辰戦争期木版刊行物研究会代表の藤實久美子国文学研究資料館・総合研究大学院大学教授から、この戊辰戦争期木版刊行物研究会が取り組んできた『太政官日誌』の共同調査研究上、長く課題としてきた江戸・東京版『太政官日誌』刊行時期の推定について実証的な説明を行いました。講演の二番目は公益財団法人三井文庫次長で主任研究員の下向井紀彦氏より、『太政官日誌』京都版の版元の一人である越後屋・井上治兵衛について三井文庫の豊富な史料を交えながらご紹介いただきました。

続くワークショップでは、研究会メンバー蔵本の『太政官日誌』をはじめとする官版日誌類のほか幕末維新期の木版刊行物を実際に手に取っていただきながら、自由討論をすすめました。

 

なお、ニュースやチラシでは第4回としておりましたが、通算で第5回の公開研究会でした。失礼しました。

次回の開催時期は未定ですが、こちらのニュースでお知らせしていきます。

研究会メンバーの清水詩織氏による講演会が東京・港区立郷土歴史館で開催されます。

港区立郷土歴史館で開催中の特別展「激動する幕末維新の港区」(12月15日まで)に合わせた連続講座第2回(11月10日(日) 午後1時30分~3時)に、戊辰戦争期木版刊行物研究会メンバーの清水詩織氏が「江戸湾海防と幕末の江戸社会」と題して講演します。申し込み方法など詳細は下記リンク先、同館サイトをご覧ください。

https://www.minato-rekishi.com/lectures/bakumatsu-ishin-course2.html

11月30日に都立多摩図書館で第4回公開研究会を開催します。

戊辰戦争期木版刊行物研究会では、『太政官日誌』をはじめとする官版日誌等について学際的な共同研究に取り組んでいます。
今回の公開研究会では、官版日誌等の刊行にたずさわった書籍商(板元)に焦点をあててゆきます。
図書館司書や学芸員の方々、幕末維新史・出版メディア史・書籍研究・商業史、京都学・江戸東京学等に興味のある方のご参加をお待ちしております。

第4回公開研究会11月30日開催
クリックするとPDFファイルが開きます。

I. 日時・場所 

2024年11月30日(土)開場13:30 14:00~16:30
東京都立多摩図書館セミナールーム2 中央線・西国分寺駅 徒歩約10分

対面のみ・参加費無料 
参加を希望される場合は、こちらから申込フォームに入力してください。

II. 講演プログラム

14:00~藤實久美子 国文学研究資料館・総合研究大学院大学
「太政官日誌の京都版と江戸東京版の板元—研究概況」(30分)

14:30~下向井紀彦 公益財団法人三井文庫 主任研究員
「越後屋井上治兵衛について」(30分)

15:00 休憩
15:15 ディスカッション・ワークショップ

16:30 終了 

「書林書留」史料講読会が始まりました

8月30日、戊辰戦争木版刊行物研究会で慶應大学付属図書館蔵の「書林書留」の講読会を始めました。慶應3年から明治13年にかけての江戸・東京の書物問屋行事にかかる文書の写本です。研究会代表で藤實久美子国文学研究資料館教授による翻刻はこちらからご利用いただけます

第2次日誌フルを公開しました

平成27年度(2015年度)科研費基盤研究(B)採択「官版日誌類に関する史料学の構築および戊辰戦争期の情報と地域に関する学際的研究」の後継として、令和2年度(2020年度)科研費基盤研究(B)採択「維新政権期の木版刊行物に関する学際的研究およびオープンサイエンスの推進」(研究代表者:藤實久美子・国文学研究資料館教授)の共同研究の一環として、官版日誌類のフルテキスト化横断検索および情報解析を可能とするためのデータベース(第2次日誌フル)を作成しました。

第1次では慶応4年・明治元年(1868)刊行分の『太政官日誌』のみでしたが、第2次収載官版日誌は、慶応4年・明治元年(1868)刊行分の『江城日誌』『鎮台日誌』『鎮将府日誌』『東京城日誌』、および明治2年刊行分の『太政官日誌』(京都版)、計390号分です。「第2次日誌フル」の作成には、戊辰戦争期木版刊行物研究会の藤實久美子、箱石大、山口順子が携わりました。

こちらからどうぞ。

日誌フルサイトのデータベース増強に伴う一時閉鎖について

日ごろ各分野において「太政官日誌フルテキストデータベース」を御活用いただき、誠にありがとうございます。

8月1日から10月31日まで、データベース増強のため、一時閉鎖となります。ご不便をおかけいたしますが、何卒、御理解御協力のほどお願い申し上げます。

再開後は、戊辰戦争期に発行された官版日誌類と、慶応4年から明治2年までの『太政官日誌』のテキストが横断検索ができるようになります。引き続きよろしくお願い申し上げます。